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ツインズ・ラブ

第13章  LikeとLoveの境目(Side司)

 そう思ったのが伝わったのか、神田君は爽やかな笑顔で続けた。
「少しはときめいた?」
 つい、じっと神田君のことを見つめてしまう。
「いや、今言ったこと忘れてくれ。恥ずかしすぎる・・・」
 顔を真っ赤にしてしまった神田君をみて、つい可愛いと思ってしまう。
 自分より、数倍逞しい神田君を可愛いだなんて、言われたら、ショックかな。
「そんなにじっと見るなよ」
 おそいたくなる・・・。
 余りにも小さな言葉でつぶやかれて、一瞬、何を言われたのか、わからなかった。
 次の瞬間、神田君に前から抱きしめられる。
 お茶がこぼれるっ!
 目線で湯飲みを見つめると、神田君は器用に僕が手に持っている湯飲みを受け止めた。それを静かに机の上に置く。
「よかった。こぼれなくて」
「つかさ・・・」
 神田君にあきれたように、つぶやかれる。この状況でお茶のことを心配するか?ということなのだろう。

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