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ツインズ・ラブ

第13章  LikeとLoveの境目(Side司)

「神田君、僕は神田君のことを大切な友達だと思っている」
 神田君の瞳が揺らぐ。
「つきあいはまだ短いけど、神田君、いい人だから」
 いい人。他に良い表現は見つからなかった。
「いい人か。いい人で終わりたくはないんだけどな」
 自嘲しながら神田君は僕にたずねた。
「司、一つ聞いていいか」
 返事の代わりに僕は頷いた。
「司は今好きな人はいないの?」
 好きな人?
 これは恋愛感情の意味だよね。
「もちろん、恋人にしたい人の意味だよ」
 一瞬、葉月の顔が脳裏に浮かぶ。葉月は・・・大切な弟だよね。
「いないよ」
 即答する。
「そう?」
「うん、恋人にしたい人はいない」
「それじゃあ、俺にも望みはあるよね」
「えっ?」
「昔からあきらめが悪いんだ。覚悟しておけよ、司」
 覚悟?何の???
「好きな人がいないなら、俺にもチャンスがあるってことだろ」
 えっと?
 チャンスって?

 
 

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