ツインズ・ラブ
第13章 LikeとLoveの境目(Side司)
人が乗っていることを認識した瞬間、その人が僕に抱きついてきた。
「司、会いたかった-!!」
腕にすっぽり入る小柄な身体。微かに香る薔薇の香水。愛らしい声。顔を見なくても分かる。
「母さん・・・」
困惑しながらも、僕はその人を抱き留めた。
父と一緒にアメリカにいたはずの母だった。
「久しぶりね、司」
母はにこりと僕に微笑んだ。
それから、自宅へ向かう車の中で僕は母から帰国した事情を聞いた。
正月すら滅多に帰国しない両親が揃って帰国しているのにも驚きだったが、その理由を聞いて納得する。
「それでね、司。お義父様の体調が思わしくないの」
お義父様こと、祖父の篠宮浩一郎。
銀行の頭取や顧問、そして近年は大臣として内閣入りもしていた祖父が入退院を繰り返していたのは知っていたが、ほとんど疎遠の僕たちが祖父を見舞ったことはなかった。
「司、会いたかった-!!」
腕にすっぽり入る小柄な身体。微かに香る薔薇の香水。愛らしい声。顔を見なくても分かる。
「母さん・・・」
困惑しながらも、僕はその人を抱き留めた。
父と一緒にアメリカにいたはずの母だった。
「久しぶりね、司」
母はにこりと僕に微笑んだ。
それから、自宅へ向かう車の中で僕は母から帰国した事情を聞いた。
正月すら滅多に帰国しない両親が揃って帰国しているのにも驚きだったが、その理由を聞いて納得する。
「それでね、司。お義父様の体調が思わしくないの」
お義父様こと、祖父の篠宮浩一郎。
銀行の頭取や顧問、そして近年は大臣として内閣入りもしていた祖父が入退院を繰り返していたのは知っていたが、ほとんど疎遠の僕たちが祖父を見舞ったことはなかった。