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ツインズ・ラブ

第17章  恋人への第一歩(Side葉月)

「何が良い?司」
 笑いを必死でこらえながら、司にメニューを渡す。
 そんな俺を上目遣いで見ながら、司は真剣な目つきでメニューとにらめっこしている。
 あれも良いかな。
 これが良いかな。
 そんなことを考えているのか、くるくると変わる表情が可愛い。
「何?」
 その視線に気がついて、司が俺にたずねる。
「可愛いなと思って」
 すると真っ赤になった司は、
「兄に、可愛いなんていうなよ」
「可愛いものはしかたないだろ」
 つい、先日までは欲望と戦う日々だった。だから、可愛いと感じても、それを見ないようにしていた。
 でも、今は手の届くところにいる。
「何?」
 後ろから司を抱きしめる。
「幸せだなって」
 その日は一日、とても幸せだった。
 

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