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ツインズ・ラブ

第20章  揺れる想い(Side神田)

 言葉にはしないものの、顔が早く用件を言って帰れと言っていた。
「生徒会のことで、相談したいことがあるのですが」
 つい、嘘をついた。心配なのできたとは言えなかった。
「明日にしてくれないか」
 責任感が強い田中先生にしては、珍しいほど投げやりな態度だった。
「急ぎの案件なんです」
 一瞬、田中先生は考えるそぶりを見せた。
「中に入れて下さい」
 元気良く、大きな声で言うと廊下に通る寮生が何事かと注目しはじめる。その視線を感じて、田中先生は深く溜め息をつくと、ドアを大きくあけて開けてくれた。
「入れ」
「失礼します」
 俺は田中先生の気が変わらないうちに、急ぎ部屋のなかに入った。

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