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ツインズ・ラブ

第22章  波乱の文化祭(Side司)

 立ち上がろうとした僕を葉月が制する。
「休んどけ、俺が行くから」
「いや、でも僕が行かないと」
「適当にごまかすから、大丈夫だ」
 妖艶の笑み。そして、くすっと笑うと、耳元で囁かれる。
「それに、その体調不良は俺にも責任がある」
 その言い方がいやらしくて、ちょっと顔が赤らんだ。
「でも、葉月」
「俺に任せとけって。上手くやってみせるから。それとも、信用できない?」
 葉月がこの手のことでミスをする心配はない。首を振り、否定する。
「葉月のことは信用している」
 そういう問題じゃないんだ。
「でも、せっかく来て下さったんだから、主催者としてきちんと挨拶したい」
「そんな青い顔で言っても、ダメ。挨拶なら、帰りでもいい。頼むから、大人しくしておいて」
 葉月は全く引こうとしなかった。

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