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「そんなリスクを背負うより、自分で担当したほうがいいんじゃないか。お前のツテで決めたキャストだから、お前が担当するのは当然だと周りは思うだろうし」
　確かにその通りだ。
「適当に理由を付ければ、他の役員はシャットアウトして、二人っきりで話ができるだろ？」
　神田の言うとおり、周囲に人が多いと気が散るとでも言っておけば、二人きりで話すこともできるだろう。
「お前がその係をやるのなら、司のことは絶対に何とかしてやる」
　断る理由はなかった。
　そもそも、自分が神田に頼んだことだ。
　それでも、俺はこう言ってしまった。
「頼みがある」
「他にも何かあるのか？」
「司と二人きりにはならないでくれ」
「ずいぶん、心が狭いな。それくらいの特権、いいだろ」
　神田に言われるまでもなく、それは自覚している。