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「心が狭いのは自覚している。でも、司に想いを寄せているお前と二人っきりでいさせたくない」
「信用ないんだな」
　そうじゃない。
「お前のことは信用している」
　ただ自分に自信がないだけだ。こんな身勝手な自分よりも神田が良いって、司が言い始めないか、不安なだけ。
「自分に自信がないだけだから」
　そう言うと、神田は驚いた顔をした。
「意外に弱気なんだな」
「そりゃあ、そうだろ」
　つい、本音を漏らしてしまう。　司がいつ俺のことを弟としてしか見られないって、言い出すかも知れない。恋人よりも家族として過ごした時間のほうが長い分、不安がつきない。
　そこまでの心情はライバルである神田には言わないけど。
「わかった。善処するよ。ただ急遽、俺が司１人をどこかに連れて行くことになれば、その間、二人きりになるかも知れないけど、そこは目をつぶれよ」
　神田は、うだうだ文句を言わない。さらりと引き受けてくれた。
　こんな、男らしい。度量の広いの性格が羨ましい。