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ツインズ・ラブ

第23章  怒濤の文化祭(Side葉月)

「ありがとう」
「お前に礼を言われると、ちょっと変な気分だな」
「そうか?」
「ああ、裏があるんじゃないかと勘ぐりたくなる」
 せっかく、御礼を言ったのに、ひどい言われようだ。
「ひどいな」
「日頃の行いのせいだろ」
 否定できない。
 ギブアンドテイクが一番かな。
「じゃあ、貸しにしておいてくれ」
「ん?」
「代わりに、神田の頼みを一つだけ、きくよ」
 神田なら、現実的な頼みをするだろう。
「その貸し、有効期限は?」
「高校在学中までなら、いつでも」
「中途半端な期間だな」
「高校卒業後、俺は日本にいないかもしれないから、在学中というのが現実的なんだよ」
「そうなのか?」
「まぁ、親の仕事次第だけどな」
 そうなったときには、司も連れて行くけどな。

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