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ツインズ・ラブ

第30章 番外編① 司 & 葉月

「でも、約束の金曜日でしょ」
 葉月は諦めなかった。
 確かに、約束の金曜日。
 言われて、初めて気がついた。
「うん・・・」
「いいよね?」
 再度聞かれて、もう仕方がないかと思う。
 でも、テスト勉強はちゃんとさせないと!
「葉月がきちんと昼食を食べて」
 わかったの合図に葉月が大きく頷く。
「中間テストの勉強をして」
 ちょっと葉月の顔が曇る。
「お風呂も入ってからなら・・、いいよ」
「何時になるんだよ」
「でも、勉強はしないとダメ」
「図書館で散々勉強してきた」
「それは数学だけでしょ」
「授業中、きちんと集中して勉強しているから、大丈夫」
「ダメ。そこはお兄ちゃんとして、譲れません」
 葉月はまだ何か言いたそうだ。
「・・・・このまま僕に襲いかかったら、僕、実家に帰らせてもらうから」
 僕は以前、葉月と大げんかして、1週間実家に帰ったことがある。車で40分の通学距離はかなり遠くなるけど、可能だ。

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