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「ＬＯＶＥのほうだよ」
　にこっと満面の笑顔で言われる。端正な顔立ちの神田君に目前で言われて、思わず頬が赤らむ。
「今は、頬で我慢してやるよ」
　Love？Love？Love？
　混乱していて、頭の中でLoveという単語が踊っている・・・。
「でももう、俺の前で隙を見せるな。おそってしまいそうになる」
　微笑みながら言った神田君の目は、全然笑っていなかった。
　ぞくっつとして、悪寒が走る。獣に睨まれたウサギの感触。
「もちろん、食べられたいのなら、話は別だけど？」
　思わず、ブンブンと勢いよく、首を振った。勢いがつきすぎて、次の瞬間、首が痛くなる。
　痛みに、顔をしかめた僕を笑いながら、神田君は微笑む。
「卒業まで、まだ時間はたっぷりとある。よく考えて、答えを出して欲しい。いいね、司」
　顎に手を当てられて、顔を上に向かされる。正面から神田君と向き合う形になる。