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ツインズ・ラブ

第9章  作戦と恋敵(Side葉月)

「葉月は司のことが好きなんじゃないのか?ただの兄としてではなく、恋愛相手として」
 その通りだ。神田に対しても周りに対しても、そのことを隠したことはない。鈍い司は、あの告白をするまで全く気付いていなかったが、神田が俺の感情に気付いていたことはわかっていた。
「そうだよ。俺は司を愛している。家族愛ではなく、恋愛対象として。幼い頃からずっとだ」
 お前とは年期が違うのだと、視線で訴える。
「だったら、なぜ司を裏切るようなことが出来るんだ?」
「神田には関係ないだろう」
「関係なくなんてない!」
 珍しく、神田は感情的になっている。こんなに喋っている神田を見たのは、はじめてだ。
「お前は気がついているとは思うが、俺は司のことが好きだ」
 ああ、知っている。というよりも、こうなるだろうと予想して、司を神田の監視役に付けたのは、俺だ。

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