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この恋は、特別(ふつう)

第5章 試練

…今何時だろ…?

しばらく寝てて、気がついたら窓の外は真っ暗。

頭の上の目覚まし時計を見ると…23:30。

…寝過ぎだろ。ってか…翔まだ来てないんだ。
遅くなるって言ってたもんね…。

寝返りを打つ。

と、ドアの方で何か音がした。
しばらく待っていると、

「藤花~?」

と言う声がした。

あんだけ寝たのに、起きる元気が無くて、
「ここ、寝室。」

と言うだけしか出来なかった。

本当は、走って飛び付きたかったけど、真っ先に君の顔が見たいけど。

すぐ泣いちゃいそうで。
怖かった。

翔「具合悪い?」

「ううん。ちょっと、貧血…」

寝返りを打っちゃったから、背中合わせで会話。

翔「こっち、向けない?」

「…向ける。」

そう言って、ゆっくりと翔の方を向いた。

「おかえり。」

翔「ただいま。」

テレビの時とは違う顔で笑う君。

つい、つられて笑ってしまう。

翔「やっぱ、ちょっと顔色悪いね。」

「…翔も疲れてるよね?」

翔「藤花に会えたから、疲れも吹っ飛んだ。」

「良かった♪
     …起きよっかな…」

そう思って、ベッドから降りた。

「明日、仕事は?」

翔「…朝から、あるんだけどね…」

嫌そうに、目を細めて言う。

「私も、今日休んじゃったから、明日から頑張んなきゃ。」


翔「ん。」

急に、翔が顔を近づけて来たので、戸惑っていると、

翔「キス。たまには、藤花からして?」

「…いいよ。」

なんて言っちゃったけど、実際恥ずかしくて、1秒も経たない触れるだけのキスをした。

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