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この恋は、特別(ふつう)

第10章 日常という、非日常

【藤花side】

「会ったの?!?!あいつと。」

翔「仕事でね。」

「ダメって言ったのに!!」

翔「…聞いてた?仕事で会ったの。仕事で。」

「なら、仕方ないけど。…なんか変なこと言わなかったよね?私の彼氏です。って言ったり…」

翔「ん?
     言ったけど?」

「…。」

一番言っちゃいけないことを、さらっ、と言うな~!

「絶対、次会ったとき何か言われる。」

翔「…怒った?」

「…別に?」

翔「あ、怒ってる。」

「だから、怒ってないし!
あー、もう翔とはしゃべんない。」

翔「今、しゃべってんじゃん(笑)」

「今からしゃべんないの!」

翔「ほら、また(笑)」

「あーっ、もう!知らない!」

と、言って、寝室へと逃げた。


ポフッ、とベッドにダイブして、布団を被る。

微かに、翔の匂いがしてむしょうに顔が見たくなる。


…今、けんか中だし。何考えてんの?

と言い聞かせる。

一人で、自分の感情と戦っていると…


ガチャッ


ドアの開く音がした。

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