5つの恋のカタチ
第3章 死なせない。ただ一人として。
葉「…………勘違い…?」
ズッと鼻を啜って医師を見つめる。
卓「さっきのごめんは、葉月ちゃんの気持ち、ふざけてるって言ったから」
ちょっと悲しそうな顔で医師は言った。
医師のそんな顔、見たくない。
卓「俺さ、葉月ちゃんの気持ち気づいてた。けど、それには何も言わないでここまで来た。俺は大人で、『医師』だから。…でもね、…………」
医師は悲しそうな顔からあの、
温かい笑顔に変わって言った。
卓「葉月ちゃんのこと、好きだよ」
葉「…………え?」
今…、
なんて、
卓「今まで言えなくてごめん。でもやっぱりそれだけじゃだめなんだ。好きってだけじゃ。世間は許してくれない。…でも、それで葉月ちゃんが離れていくくらいなら…、どうでもいい気がした!」
あたしの好きな医師の笑顔。
葉「…せんせっ……!」
今度は違う。
嬉し泣き。
卓「これからも、病院来てくれる?」
ーーーーー
葉「医師ぇー!」
卓「あ、来た来た(笑)」
大好きな医師。
あたしの大好きな笑顔で迎えてくれる。
葉「医師っ!」
大好きだよ。
―F i n *