5つの恋のカタチ
第4章 この愛さえも、DNAで決まるのか。
『…リュウ?』
次の日も昨日と同じ時間にあの部屋に行った。
リ「僕だよ」
中からは彼の声。
―ガチャ
リ「…待ってたよ」
あたしの方まで歩み寄ってきたリュウは白衣のポケットに手を突っ込んで微笑んだ。
『あたしも…、早く会いたかった』
昨日と同じところに座って彼は絵を描き始める。
沈黙が部屋を包む。
昨日と一緒。
でも、今日は彼が突然話し始めた。
リ「…いつか、僕が僕じゃない時でも、君を愛せるように…」
『……!』
彼はキャンパスをあたしの方へ向けて優しい笑顔を浮かべた。
リ「…君を愛してるよ」
『…あ…、』
描かれた絵は飛びっきりの笑顔のあたし。
その隣には、
彼。
リュウ。
リ「…、いつか。いつかどちらの僕でも君を愛するからね」
『うん……!』
優しい、優しい口づけ。
―F i n *