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5つの恋のカタチ

第5章 恋人より、家族より、仲間じゃないか?





「一度、ゆっくり話がしたい…」

こいつ、ヨリが戻るとでも思ってるのか?

馬鹿なのか?

いや、こいつと付き合ってしまったあたしの方が馬鹿だ!!


「頼むよ!もう一度!チャンスをくれ!!」

あたしにすがり付いてわーわーと騒ぐ。


…うざっ!!


紫「離してよ!ちょっと!触るな!わかったわよ!一度!一度よ!それ以外はもう二度と!金輪際!会わないから!」


こんなクソみたいな男、顔だって見たくないのに。

でも、いつまでも付きまとわれるのはもっと鬱陶しいから一度だけあってそれで終わらせればいい。

それからいつ、どこで会うのかを決めてあたしは急いで家に帰った。




ーーーーー


紫「駿くんー!今日こそあたしの愛を受け止めてー!」

今日もあたしは探偵事務所に。

もちろん目的は駿くん。


駿「お前は、またか!帰れ!」

駿くんも相変わらずの絶対拒否。

「もったいないねー、こんな可愛い子」

紫「ですよねー!」

駿くんは明らかにイライラした顔であたしたちを睨む。


紫「でも駿くん、残念ながらあたしこれから用事があるの。ごめんなさい」

駿くんは嫌みな笑顔で『それは残念!早く行きやがれ』と言って、手であたしを払う仕草をする。

「あら、デート?(笑)」

その一言にあたしの顔は歪む。

紫「やめてください…。吐きますよ…」


全ての事情を話してあたしはため息をつく。


紫「ほんと、めんどくさい」

あたしは『じゃあ、また』と言って事務所を後にした。


ーーーーー

「いいのぉー?駿太郎くん」

駿「別に…、俺には関係ない」


ーーーーー



「来て…くれたんだ」

紫「…勘違いしないで、あなたとヨリを戻すつもりなんてミジンコほどもないから」
駅前のファミレス、

あたしは大嫌いなあいつの顔を見ないでそう言った。


「…俺、気づいたんだって…。俺には紫津帆が必要…」

紫「まだそんなこと言ってるの?あたしはあんたのしたこと許さないから。どうせ浮気がバレた女のコみんなにそんなこといってるんでしょ?」



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