5つの恋のカタチ
第2章 壊れるまで、キミと向きあおう。
勉強なんてだいっきらい。
なにが楽しくて学べるか。
勉強って何?!
あたしは諭吉を一生涯恨んでやる!
何が学問のすすめだぁー!
母「そんなあなたに素敵なプレゼントよ」
3ヶ月前、ママがそう言って連れてきた家庭教師。
荒「どうも。家庭教師の吉本荒野です」
笑顔で言ったそいつ。
ズバッ!
グサッ!
ドッキュン!
恋の矢が嫌というほどあたしに刺さった。
何、この人かっこいいー!
母「まっ、まい…?」
ま「ふぇっ?!あ、よっよろしく…お願いします…」
荒「じゃあさっそく、行こうか」
突然、肩を抱かれて先生が言った。
ま「え?!」
もうそんな突然ー?!
荒「勉強。しようか」
…………ですよね…。
荒「ちがーうよー。まいちゃーん、これ小学生の問題だよー?」
ま「う、だって……」
勉強なんてまともにしたことないよ!
あたしには小学生の問題だろうが、中学生の問題だろうが分かんないよ!
荒「じゃあ…、これ解けたら…………」
ースッ…
ま「せっ先生…?!///」
先生は突然あたしの耳元に顔を寄せてきた。
吐息が耳にかかって、くすぐったい…。
ま「…ふ…ぁ…///」
荒「……ご褒美、あげるよ……」
先生は、ひそひそ話をするときみたいな声でそう言った。
……ご、ご褒美…。
ゴクリ…、
生唾を飲んで、赤い顔で先生を見る。
荒「…フフっ。…あまーい、やつ」
目を細めて先生はあたしの髪を一束掴んだ。
その髪に唇を軽く当てて、怪しく微笑む。
う わ、
やばい。
これは……!
ま「がっ頑張りまーす!!」
俄然やる気。
当然。
先生はまだ髪を離さないで怪しい笑みのままあたしを見てる。
ま「……あ、あの…、///」
荒「んー?」
ま「そ、そろそろ離して……///」
緊張して問題解けない…。
荒「別に平気でしょ?」
もう…、
平気じゃないって言わせない勢いだもん…。
ま「……はぃ…」
えっと…、これは…
こうして…、
先生は何も言わない。
ずっとあたしの髪を弄ってる。