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5つの恋のカタチ

第3章 死なせない。ただ一人として。





葉「医師ぇー!」

卓「あ!葉月ちゃん!」

大きな病院の中であたしは白衣を着たその人に抱きついた。

葉「せんせっ、今からデートしよっ!」

卓「こらこら。僕、お仕事中だよー?」

優しい笑顔であたしの誘いを断る。


波多野卓巳医師。

あたしが腕を骨折した時にお世話になった医師。

あたしが退院してからもう半年は経つけど、医師に会いにずっと通いつめてる。



葉「えー…。ケチー!」

ブスッと膨れて医師の腕に絡めた自分の腕をブンブンと振る。

卓「ちょっとちょっと(笑)」

あたしはしぶしぶ腕を離して医師を見上げる。


卓「また学校から直接来たの?」

膨れっ面のままあたしはコクンと頷いた。

卓「そのわりには遅かったね(笑)」

どき、

葉「えっ、えー?せんせ、待ってたのー?」

卓「こーら、はぐらかすんじゃないよ」

ばれた。

卓「居残り、ってところ?」

う、

葉「…………ち、違うしっ!」

卓「あははは(笑)ダウト」

ビシッと指をさされる。

葉「正解」

見事に嘘がバレるからあたしはもう諦めることにする。


卓「まったく(笑)仕方ないなぁ、一人で帰らせるのは危ないし、もうちょっとで終わるから待ってなさい(笑)」

葉「はっ!はいー!」

やったぁー!

こんなサプライズあり?

やっぱり来てよかった!





卓「終わったよー」

白衣を脱いだ医師が待合室で待っていたあたしに声をかける。

葉「はぁーい♪」

椅子から立ち上がって医師の腕を掴む。

卓「もー(笑)」

呆れながらも医師はあたしのされるがまま。

なんだか、なんだか恋人みたーい!






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