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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第13章 年上×年下 2

「た…くちゃん………?」




――そこに居るのは…誰…?




そんなに真っ直ぐと真剣な眼差しを人に向ける拓ちゃんなんて…




そんな…




哀しそうな…淋しそうな眼で私を見る拓ちゃんなんて




…私は知らない…




私の知ってる拓ちゃんは、いつも朗らかで、いつも優しくてお調子者で…


いつも優しい眼差しで


ふーわふーわいつもどこか掴めない視線をしてた。






…だけど…目の前に居る拓ちゃんは

今も尚、強いけど

やっぱりどこか淋しそうな眼差しを私の方に向ける。


そんな拓ちゃんの視線と

そんな拓ちゃんに戸惑いながら、拓ちゃんに向ける私の視線が、暗闇の中数秒間交わった時





ふっと右手から温もりが消えた。





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