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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第17章 触れた想い

相変わらず寄ってくる女は



「一目惚れしちゃいました」


とか


「かっこいいです」



“俺”が好きなんじゃなくて“俺の顔”が好きな奴ばかり。


そんな自分からも抜け出さなきゃいけない。


自分の取り柄が他に何もないからいけないんだ。



そう思った俺は、何か1つ誇れる物を…




そう思った俺はとにかく人の倍以上、美容の仕事・知識・技術練習を頑張った。



俺が“俺”に負けないように。

俺が“俺”に勝てるように。



とにかく、とにかく頑張った。





その結果




独立してサロンは全国展開。

メディアにも何度も出るようになった頃



今度は“俺”じゃなく


俺の“顔”と、“金”に群がる女が増えた。



結局――“俺”はいつまでたっても見て貰えなかった。







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