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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第22章 心愛の“心”

「徳チャン、時間だから上がっていいぞ」


「は・・・・はい・・・」


残り30分。

鬼のように鬼のように使われまくった私の身体はもはや、ボロ雑巾…。

くったくたになった私はレジ前にしゃがみ込んだ。

それを見て店長は


「ククッ」


面白そうに笑う。


…疲れ果てた従業員を見て笑うなんて。
相当なドS野郎だな、こいつ。

コンビニよりSMクラブの方が似合ってんじゃない?


なんて心の中で毒付いてると



「ん」



差し出された手。



へ?



見上げると、店長は中腰になって柔らかい笑みを浮かべて私に手を差し出して



「お疲れさん。ありがとう。助かった」



労いの言葉を一言。


っとに。


貶したりしながら、最後は必ず“ありがとう”と労てくれる店長はやっぱり。



人間タラシだ。




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