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拓ちゃんは。

目立つ癖に全く変装なんかしない人で。

『ちょっとぐらいサングラスかけたりしてみたら？』

って素人精神丸出しの発言をしてみたりもしたんだけど

『知って貰えるって事は会社としてもいい事だからね♪』

って言って変装なんかしない、有りのままの自分を見せる人。

『色々撮られたりしても知らないよ？』

って一応、懸念したりしてみたけどそれも平気な人で。

だから逆に私が無意味にコソコソしてしまったりしてた。



……ほんと。




「心愛？何でそんなハァーハァー言ってんの？」


「拓ちゃん！だからいつも言ってるでしょ？

明るい所はちょっとぐらい自分を隠してって！」


「えぇ？隠してるつもりなのに？」


「どこがよ！」


「コート着てる…とこ？」


「それ、笑えないジョークだね」



全然、そういうとこは変わらない。


「俺、クリスマスなのに叱られてる？」


そう言って苦笑させる顔も。



「寒いからどこか入ろうか？」



膝を曲げて、私の視線と合わせて優しく目を細めて笑う顔も。



「心愛？」



全部。


出逢った時のまんま。

拓ちゃんは変わってない。