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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第23章 St.Xmas

――――2週間前。

テレビで観た彼女の涙が脳裏に焼き付いて離れなくて。


多分…。

いや、きっとまだ奥さんは拓ちゃんの事が好きなんだと思った。


……涙が愛のある涙に見えた。


拓ちゃんも、きっと奥さんの事も子供の事も大切だったはず。

だけど、それに気付いてないまま手放しちゃったんだ。

私への気持ちが“好き”だと勘違いしたから……。



拓ちゃんが、くっしゃくしゃに笑ってられる相手は、きっと奥さんなんだ。


そう感じた私は




「店長!」


「拓ちゃんの奥さんと連絡が取りたいんです!」


「は?!何で俺?!」



店長の果てしない伝手を辿って



「あなたは……?」


「初めまして!私は……」



アポ取り成功した私。


1から拓ちゃんの話を洗い浚い奥さんに話をした。


最初は戸惑いながら話を静かに聞いてくれてた奥さんも

段々と涙を滲ませて。


話終える頃には、口元を両手で覆いながら




「ありがとう……。ありがとう…」



何度も震える声でお礼を言われた。

そんな奥さんに首を振りながら、私も貰い泣き。



少しの間、2人で手を取り合って泣いた。





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