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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第5章 私は知らないんです

私は手に握り締めてる性悪男のお釣りを見る。


42円……。



「店長、これどうしましょう?」


「どうしましょうって、徳チャン知り合いなんだろ?」


「はっ!?知りませんよ!」


「でも彼は知ってたっぽいじゃん。徳チャンの事」


「そうなんですよねぇ…」



私は首を傾げながら彼の言った言葉を思い出す。



『俺は心愛の事なら何だって知ってる』


そう言ってた彼は


『重盛 光』


って名乗った。



シゲモリ コウ……



脳をフル回転させてみるけど全然彼との接点の思い出が浮かばない。


ってか、そもそもあれだけのイケメンで口の悪さだったらどっか記憶に残ってるハズ。


だけど見事に全然無い。




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