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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第7章 成り立たない【倖】

でも。


飛んで来た言葉は予想と反して



「結構濡らしたのなー」



苦笑しながら濡れた服部分を指で摘まんで



「こんだけ泣けばすっきりしただろ?」



って優しくポンと頭に手を乗せて髪をワシャワシャする毒舌重盛。



「……怒らないの‥?」


「あ?怒って欲しいわけ?」



ま、まさか!!


怒って欲しいなんて相当のドMじゃなきゃ思わないよ。



私はブンブン左右に首を振ってみせる。


毒舌男は私を見て“変な奴”ってフッと目を細めて笑う。



涙で(多分ちょっとは鼻水も…)服を濡らされた事を全く怒る事なく優しく接してくれてるのは彼なりの優しさなのかなって…。


実は優しい人なのかな…って思ってしまった私はやっぱり単純なのかな…。





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