夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「わかりました。私、やります。」
『美月様、』
『楽しみね。
・・今日のお食事会。』
負けない。
こんな人をコケのように扱う人なんかに負けてたまるかー・・・
「西田さん、教えてください。
お願いします。」
『・・かしこまりました。』
テーブルマナーから配膳のマナーまで、一から知識を頭に叩き込んでいく。
この家から追放するー・・・
そこまで言われたら、意地でも居座ってやる。
あの人の前であぐらかいて座ってやるんだから。
『・・坊ちゃん、』
「おい、松。
あいつ何やってんだよ。」
食事会の部屋で、熱心にメモをとる美月を入口で見つめる湊。
『美月さん、奥様から今日の配膳役に任命されて・・・』
「あいつが?」
『今、一生懸命覚えてるところです。』
お辞儀の角度、お皿の持ち方、たった30分という限られた時間で覚えようと必死だった。