夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
『大原様、どうぞこちらへ。』
『本日はご招待いただき光栄ですわ。
さすが西園寺様、お屋敷も素敵ですこと。』
『いいえ、滅相もない。
お食事もお口に合うか・・・
本日はお嬢様が野菜が好きだと伺ったので、
無農薬のバーニャカウダを用意しましたの。』
『バーニャカウダ!?私大好き!!』
『百華、良かったわね。
お気遣いいただき申し訳ございません。』
『いいえ、とんでもない。』
大原家の両親と愛娘、西園寺家の会長と息子の湊が席に着いたところで、入口のドアが大きく開かれた。
それと同時に、次々に運び込まれる料理。
その料理の前に立ち、一度だけ深く頭を下げた美月
「本日の配膳担当を務めさせいただきます。
料理はコースでご用意しておりますので、どうぞお楽しみください。」
『美月ちゃん・・・?』
「ーー?」
『そうだ!やっぱり美月ちゃんだ!!
私のこと覚えてる?大原百華!英明でバッチ拾ってくれた時の!』
突然席を立ち、駆け寄ってきた彼女は飛び跳ねながら抱きついてきた。