夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
『さすがですわ、おたくの坊ちゃん。
武道までされていたとは。』
『いいえ。とんでもない。
軽くですよ、ただの習い事です。』
会話が盛り上がってる中、次々と料理を運ぶ美月
湊の前にスープを置いた時・・・
ーーコトン…
とフォークが床に落ちた。
床に屈んで咄嗟に拾った時、フォークを握った手を湊に握られた。
「!!」
「後で話がある」
「ーー?」
「部屋で待ってろ」
『・・美月さん?』
「約束だ」
コソコソと耳打ちをされて、何事もなかったかのように立ち上がった美月。
会長の目つきが突き刺さるように鋭く、急いでその場から立ち去った。
ーー後で話がある。
今さら何の話をするというのか・・・
それにしても、耳打ちされた耳が熱くて、体全体がカーッと熱くなるような気がした。