夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
『ねぇ、湊ー!
これ見ようよー!』
『やだ。一人で見ろ。』
社長の部屋を掃除しようとしてドアノブに手を添えた時、中から聞こえてきた会話に動きを止めた。
『じゃあ、これは?』
『小学生かよ。
んな、くだらねぇアニメ。』
『もう!
じゃあ・・・
他のことしよ!』
『他のこと?』
『うん!恋人らしいこと。』
背筋がぞぞっとした。
ダメ・・・
ここにいちゃダメなのー・・・
『・・アホか。
お前なんかで満足できるわけねぇだろ。』
その場を立ち去ろうとしたら、
『どうしてそんなに冷たくするの?』
百華の震える声がした。
『お前のこと、嫌いだから。
それだけだ。』
突然開いたドアの目の前で固まった。
『・・まな板・・・ 』
「ごめんなさい・・!
立ち聞きするつもりなかったの!!」
走って立ち去ると、物凄い勢いで階段を駆け降りた。