夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「王子様か・・・
じゃあ、美月ちゃんはシンデレラだね。」
笑ってる蓮さんを見てると自然と笑顔になれて、
「12時になったら魔法は消えちゃうから。
今だけ、夢見るシンデレラ。」
心から安心できた。
「大丈夫。」
「ーー?」
「魔法は消えないよ。」
「・・・・」
ちゅっと額に落とされたキスー・・・
「ここに来れば時間は止まる。」
「蓮さん・・」
「俺も兄貴の結婚が決まった時、毎日ここに来てたんだ。ここに来れば、なんとなく結婚式の日が訪れない気がしてた。」
確かに、ここは不思議なくらい時間が止まった感覚に陥るー・・・
高台から見える夜景は、全てが自分のもののように感じて、心の不安がスーッと消えていく気がした。
「ここに来ると、時間が止められるんだ。」
「・・・・うん。」
「辛くなったらここに来たらいい。
何もかも忘れられるから。」
社長といるより、蓮さんといる方が安心できるー・・・
でも、頭から社長のことが離れなかった。