夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
それから毎日のように、夜になるとこの公園に来てた。
「夜遊びの好きなシンデレラだこと。」
前のめりになって手すりに体重を預けてた蓮が、隣に立つ美月に気付いて微笑んだ。
「あの家にいると呼吸ができなくなるの。」
「おばさん、まだいるの?」
「うん。
今回は社長の結婚式もあるから長いみたい。」
「・・そう。」
この間の食事会の失敗は、百華の配慮で見逃してもらえた。
ーー次こそ、許すわけにはいきません。
あの迫力
あの目力
あの圧力
同じ人間とは思えない存在感だったー・・・
「湊のおばさん、俺らにも厳しいからな。」
「蓮さんにも?お金持ちなのに?」
「いや、湊ん家の財力に比べたら俺らなんて微々たるものだよ。」
お金はあれば助かる。
だけど、それで人を評価するものさしと考えるのは間違ってると思う。