夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「社長も社長だと思います。
あんな母親の言いなりになるなんて・・」
「・・・・」
「NOと言える日があったはずなのに。
子供の反発もあれば、少しは親の心も変わったかもしれないのに・・・」
「それは無理だよ。」
「ーー?」
「あの人にとって子供は愛情かけるんじゃなくて、ビジネスの道具でしかないから。」
「・・・」
「あいつの姉ちゃんも、会社をでっかくするために好きでもない男と結婚したんだ。」
「え?」
「その時、湊がすっげー荒れたことがあって、警察沙汰にもなった。
それなのに、あの母親は大事な取引があるとかで湊の迎えにも来なかったんだ。」
どうしてー・・・
私にはわからない。
お腹を痛めて産んだ子を、どうしてそんな風に・・・
「だから俺も、湊だけは好きな女と結婚してほしい。」
好きな女・・・
遠くを見つめる蓮さんの横顔、どこか寂しそうだったー・・・