夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
『へー、美月ちゃんって湊の使用人なんだ。
大変でしょ?毎日いびられて。』
「いえ、まだ来て2日目なんです。
だから慣れないことばかりで・・・」
『どうして湊の使用人に?』
「あ、えっとー・・それは、」
『ーー?』
「おい、お前!何か飲み物買ってこい!
俺様、喉渇いて死にそうなんだよ。」
教室で徹くんと話してたら、突然戻ってきた湊に上から冷たく命令をされて思いっきり睨みつける。
「ちょっと!それが人に物事を頼む態度なわけ!?」
「なんだよ、使用人のくせに口答えすんのかよ!」
「使用人とか、お前とか、私は山本美月!親がつけてくれた名前がちゃんとあるの!!」
「"みつき"でも、"よんつき"でも、俺にとってはどうでもいいんだよ。そんなこと。
さっさと飲み物買ってこい!!」
「ムカつく奴ー・・!!」
ふんっと睨みつけて教室を出ると、ドンドンドンッとわざと足音をたてて戻ってきた。
「・・・なんだよ。」
「お金。
突然あんたに連れ出されたから何も持ってきてないの。」
お小遣いをせびる子供のように、真っ直ぐ湊に向かって腕を差し出す。
「はっ・・信じらんねぇ。」
財布から千円札を取り出すと、美月の手のひらに乗せた。