夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
バカバカバカ・・・!
社長のバカ野郎ー・・・!!
仕事着のまま飛び出すと、屋敷から最も近い駅までダッシュする。
握り締めた携帯を見ると12時半を回ってる・・・
待ってないかもしれない。
家に帰ろうと向かってるかもしれない。
それでも、美月は駅まで急いだ。
「・・っ、どこ・・・?」
人混みの中で湊の姿を探す。
辺りを見回しながら人をかき分けると、
ーードンッ
『ってぇな!!
どこ見て歩いてんだよ。』
「すみません・・!」
この状況・・・
この感覚・・・
前にも同じことがあった気がする。
『チッ・・ブスのくせに』
「本当にすみません・・!」
頭を下げると、
「大丈夫?」
頭上から声がした。
『チッ・・気をつけろよ。』
見上げれば湊が立つー・・
「・・社長・・・」
今日は殴らなかった。
心配する言葉をかけてくれた。
「お前、まともにデートもできねぇのかよ。」
「ーー?」
「遅刻するし、だいたい、なんちゅー格好してんだよ。」
でも、話せばいつもの社長でホッとした。