夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「これ、みんなタクシー待ち・・?」
「嘘だろ・・・」
1時間は裕に待ちそうな行列に絶句した
「よし、待ってろ。」
「ーー?」
美月を置いて、1番前に並んでた人が乗り込もうとしたタクシーに近付いていく湊
助手席の窓ガラスをノックすると窓を開けさせた。
「俺、この客の3倍払う。」
「ちょ・・!」
「頼む。先に乗せてく「待っ、待って待って!!ごめんなさい。何でもありませんので。」
湊の体を引き寄せて、タクシーから離す
「あんた、バカじゃないの?
お金で何でも解決できると思ったら大間違いよ!」
「だったら、こんな列に並べっつーのかよ!」
「だいたい、列があったら並ぶのが人としてのマナーでしょ?みんな早く帰りたい気持ちは一緒なの。」
列に並ぶ人達が、心配そうに湊と美月の痴話喧嘩を見つめる。
「・・何見てんだよ!!」
「もうやめてよ・・!
行こ・・!あんたといると恥ずかしい・・」
野次馬を怒鳴りつけた湊の腕を引き、その場から逃げるように立ち去った。