夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「・・・何、ここ・・・・・・」
『西園寺様、いらっしゃいませ。
ご連絡頂ければお迎えにあがりましたが・・』
「いや、今日はいいんだ。
家の奴等にも内緒にしといてくれ。」
『かしこまりました。
では、お部屋までご案内いたします。』
ガラス張りのロビーに、大きなシャンデリア・・・
明るいこの空間は、まさにシンデレラの舞踏会の会場のようー・・・
「おい、まな板。行くぞ!」
「あ、待って・・!」
湊の声で我に返り、歩き出した背中を必死に追った。
「・・ねぇ、ここ、何なの・・?」
「見りゃわかんだろ。ホテルだよ。」
「ほ、ほ、ホテル・・!?
なんでホテルなんか・・ちょっと、何する気!?///」
顔を真っ赤にする美月を冷ややかな目で見つめる湊
「お前、まだ俺のこと信じてねぇな?」
「ーー?」
「俺は、お前の気持ちがはっきりするまで抱かないって言ったろ。
ホテルに来たからって突然襲ったりしねぇから。部屋だって別々にとってある。」
『西園寺様、どうぞこちらへ。』
エレベーターの前で係の者に呼ばれて、駆け足で乗り込んだ。
『では、ごゆっくり。』
扉が閉まると、最上階のボタンだけが押されていた。