夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「・・・・」
「・・ごめん。」
頭を撫でられて、小さな呟きが聞こえた。
「俺、何にもしてやれない。」
「・・・・」
「まな板に言われた意味がやっとわかったよ。」
悲しそうに笑う湊の目はいつもとは違って優しかった。
「俺は金しか信じてこなかったかもしれない。
金があれば何でも解決できると思ってたし、実際にうちの親は金で全てを手にしてきた。
けど、今の俺は金があっても、まな板のために出来ることが何もない。」
「・・社長・・・・」
「金があってもこんな俺じゃ情けねぇよな。
まな板が言うように寂しい奴なのかもしれない。」
軽く微笑んだ湊は本当に寂しそうで、いつもの威厳の面影すらなかったー・・・