夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
「飲み物買ってこいって言われてもさぁ、何がいいとか具体的に言ってくれないと困っちゃうんだよなぁ・・・」
千円札を握りしめた美月が、自動販売機の前で立ち尽くす。
『ねぇねぇ、』
「ーー?」
『買わないの?』
「あっ、先にどうぞ。」
真剣に悩んでたから、後ろに人が並んでたなんて気付かなかった。
『ねぇ、君見かけないけど英明の子?』
「え、いや私・・・」
『へー、英明にこんな可愛い子いたんだ。
俺らもまだまだだな。』
『学部は?
あっ、何か飲む?好きなもの奢るよ!』
「いや、あの、私・・、その・・・」
3人組の男の人たちの勢いに負けて話が進まない。
取り出した財布は見るからに高級ブランドで、大学生だというのに中身はクレジットカードでびっしりだった。
『何がいい?』
「あの、私飲み物頼まれて・・」
『そう。じゃあ、その友達のも「俺がいつ、てめぇらに奢られる身分になったんだよ。」
この声・・・
この言葉遣い・・・・
ーードスッ!!!
「きゃあっ・・!!!」
さっきまで隣に立ってた男が、首を絞められて自動販売機に押しつけられてる。
あまりにも突然すぎる湊の行動に固まるしかなかった。
「誰が俺様に奢るって?ぁあ?
もういっぺん言ってみろ!!」
『す、す、すすすすみません・・ッ!
勘弁してください!西園寺様の彼女とは知らず・・・っっ!!』
他の男が放った言葉が逆効果だったのか、その男もお腹に一発パンチをくらった。
「彼女?ふざけんな。
こんなまな板女に興味ねぇんだよ!」
「ちょっ・・!」
「わかったらさっさと失せろ。」
湊の声を合図に散っていく男たち
その場に残されたのは、湊と美月だけー・・・