夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
「っ・・怒った?」
「・・・・」
笑いを堪えながら、湊の隣に座って顔色を伺う。
「・・坊ちゃん・・?」
「湊」
「え?」
「最初に言ったろ?
みんな俺を湊様って呼ぶんだよ。」
「湊、様・・・」
「坊ちゃんなんて気色悪い。
社長はもっと嫌いだ。」
「でも、「なんだよ。」
「私は社長の使用人であって、西園寺 湊に仕えてるわけじゃないの。」
「ーー?」
「私にとってあなたは、西園寺グループの社長以外に何もない。」
美月の寂しそうな目以上に、もっと悲しい目をしてる湊。
「・・帰ります。
お家で待ってますね。」
千円札を湊に返すと、立ち上がり歩き出す。
咄嗟に立ち上がった湊も、美月の背中を見つめるだけで何も言えなかった。