夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
あそこまで言い切ったんだもん。
なんとしてでも帰らないと、またあいつにバカにされる・・・
「ーー?」
来る時、車を止めてくれた噴水の前で思わず足を止めてしまった。
「あの・・・、
大丈夫ですか?」
地面にうずくまってる1人の女の子
後ろからそっと声をかけると、不安いっぱいな顔で振り向いた。
「どうしましたか・・?」
「学生バッチ落としちゃって・・・」
彼女が見てるのは、下水道のような水が溜まり流れる溝だった。
もちろん、底が見えるほど澄んでるわけじゃなく、目に見える範囲ではバッチなどない。
「諦めるしかないか・・・」
「ちょっとどいてくれる?」
「え?」
「私が探してあげる。」
「えっ!でも、ここは・・、」
「あなたはこんなやり方知らないだろうけど、物を探す時は手探りが1番確実なの。」
「やっ、うそ・・・・っ」
腕捲りをして、濁った水の中に迷わず手を突っ込んだ美月。
手探りで何とか想像するバッチを探そうとする。
「あっ、あの・・・!
もう大丈夫です!また買いますから!!」
「なに言ってんの。
これだからお金持ちは、」
「いや、でも・・!」