夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
「あっ!!!」
しばらくして、
溝から抜いた手のひらには、確かに光る生徒バッチが握られていた。
「ちょっと待ってて!」
「ーー?
目の前の噴水の水で手とバッジを濯ぐと、ハンカチで軽く拭いて差し出した。
「はい。」
「わぁー!ありがとう!
本当に助かった!何てお礼をしたらいいか・・・」
「お礼?そんなのいいよ。」
「でも、」
「見つかったんだもん。
これからは無くさないようにね!」
「うん。
本当にありがとう。」
受け取ったバッチを両手で握り締めてる彼女は本当に嬉しそうで、見る限り女の子っていうオーラ炸裂の可愛らしいお嬢様だった。
「あの、お名前は・・?」
「山本美月」
「美月ちゃん・・、
私は大原百華(Oohara Momoka)。
この学校で美術史の勉強してるの。
美月ちゃんは?」
「私は・・、」
「ーー?」
「あっ!もう行かないと!
ごめんね。また今度ゆっくり話そう。」
「ちょっと、美月ちゃん!?」
逃げるように立ち去る美月を、不思議そうに見つめる百華。
私は庶民ー・・・
いい気になるな・・・