
夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
ベッドの端に腰掛けて、湊の寝顔を見つめてると廊下が騒がしくなった。
『っ・・いや、しかし坊ちゃんは「叩き起しなさい!これも全てあなたたちが甘やかすせいでしょ!違う?」
バタンッと勢いよく開いたドアに反応して、咄嗟に美月は立ち上がった。
『ーー?』
「・・・・・」
『見慣れない子ね。新人?』
視線だけで押しつぶされそうな威圧感ー・・・
呼吸の仕方すら忘れてしまう。
『山本美月様です。
2日前からこちらで・・・』
『・・そう。』
「は、初めまして・・!」
『で、あなたはここで何を?』
「え、あ・・あの、」
『出て行きなさい。』
「え・・・・」
『寝てる男の部屋に入り込んで何が狙い?
下品極まりない子ね。』
開いた口が塞がらない。
「私はただ薬を『口答えまでするの?あなた、自分の立場をわきまえていらっしゃるのかしら。』
『美月さん、下がりなさい。』
なに、このおばさん・・・
初対面の人にここまで侮辱される筋合いなんてない。
『美月さん!早くなさい!』
松さんの声で、部屋を出ていく美月
嫌味のごとく、足音を大きくたてながらその場を去った。
