
夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
『湊!!蓮が帰って来たよ!』
勢いよく開いたドアから入ってきたのは、大学で会った徹さんと見慣れない顔が一人。
『あれ、君は・・えっとー・・・
そうだ!美月ちゃん!』
「お久しぶりです。」
湊の部屋のベッドメイキングの手を止めて頭を下げた。
『あれ?湊は?』
「社長ならさっき部屋を出たばかりです。」
『なんだよ、あいつ・・・
せっかく蓮が帰ってきたっつーのに。』
我が物のようにドカッとソファーに座り、テレビをつけた徹さんに唖然とした。
『・・・君は?』
「あ、初めまして!
山本美月といいます。」
『湊の新人使用人だと。』
『あぁー、まだこんなこと続けてたんだ。』
「ーー?」
『大丈夫?相当いびられてるでしょ?』
爽やかに笑う彼は王子様みたいで、私の心臓のど真ん中を撃ち抜いたー・・・
全身が熱くなるのがわかる。
『・・美月ちゃん?』
『ーー?』
徹の問いかけにも、目をハートにしたまま動かない。
「おい、まな板!昼飯、
・・蓮!!!」
『湊!!久しぶり!!』
「お前いつ帰ってきた?
なんだよ、メールくらいしろよ!」
『朝方着いたんだ。
湊を驚かそうって徹が言うから、ごめん。』
部屋に戻ってきた湊の声で我に返ると、目の前で楽しそうに抱き合ってる彼らー・・・
社長って、あんなに笑うんだ・・・
