
夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
柚は昔からパパが大好きだった。
パパが亡くなったあの日も、パパと買い物に行った柚が駅から自転車でバイクのパパと別れて起きた事故だったー・・・
『あの時、駅で別れないで一緒に帰ってれば良かった・・・』
柚は何度もそう言って自分を責め続けた。
誰よりも人を想って優しくなれる柚は、自分を犠牲にしてでも相手の幸せを願う。
「・・わかった。
でも、まだ結論は出さないで。
お願いだから塾にも行って?
今の柚にできることは、勉強頑張って、いい成績とって、ママの自慢の息子でいることなの。
私にとっても柚は大事な弟なんだから。」
確かに、大学を辞めるという決断は私にとって喪失感以外の何物でもなかった。
夢を一瞬にして断たれて、すぐに諦めなんてつかなかった。
それでも、家族のためだから、大好きなママと柚のためだから頑張れる。
