夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「なに?火事!?」
「あのバカ・・、」
「ーー?」
咄嗟にドアを開けると、
「っ!!
ゴホッゴホッ・・!!」
途端に真っ白の煙に包まれた。
「蓮さん・・!
逃げなきゃ!!」
口元を手で押さえながら蓮の手を引いた時・・・・
『まな板ー!!
まな板どこだ!いるんだろ!?』
私のことを必死に探す声が聞こえてきた。
『まな板!!まな板、っ・・んだよ、このブス。』
「・・社長・・?」
白煙の中、うっすらとシルエットが見えてきてその影も徐々に濃く、大きくなっていく。
『まな板・・!!』
「湊!こっち!!」
『ーー?
蓮・・!』
なんで?
どうして社長もこんなところに?
しかも火災警報器が鳴り響く緊急事態に・・・
「湊、やりすぎ。」
『え、そうか?』
笑ってる二人の余裕が私にはわからない。
パニックになりかけてる私の手を、蓮さんが湊に託した。
「じゃあ、後でな。」
『おう、さんきゅ。』
真っ白の煙の中に消えてしまった蓮さん
『行こう』
「え、ちょ・・・、」
私も湊に手を引かれるがまま、部屋を出て白煙の中廊下を突き進んだ。