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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第2章 第一話【空の記憶】~運命の嵐~

 進一郎がまるで幸との束の間の別離を永の別れのように言うのに、幸は笑った。
 が、進一郎は整った顔を曇らせた。
―判ってはいるのだけれど、何故か無性に胸騒ぎがしてね。
 その後も進一郎は何か言いかけようとして、口をつぐんだ。幸はその先に進一郎が続けようとした台詞を想像してみた。
―もう二度と逢えないような気がして。

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