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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第9章 第三話【波の音】 絶望の果て

「幸、済まなかった」
 亮平に唐突に抱き寄せられ、幸はわずかに身じろいだ。だが、抵抗はせず、なされるままにされている。
「幸、良かった。幸」
 亮平は幸を抱きしめて何度も「良かった」と繰り返した。自分の身体を二度も欲しいままに陵辱した男、殺したいほど憎い男のはずなのに、何故か幸は憎めなかった。

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