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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第9章 第三話【波の音】 絶望の果て

 それでも、身体は正直で、心は虚ろなのに亮平に触れられただけで、幸の身体は確かな反応を示す。一度めざめた身体は、幸自身の意思どおりにはならず、いつも勝手に暴走した。亮平の腕の中で幸は幾度も身体を撓らせ、甘やかな声を洩らす。塞がれた唇からは荒すぎる吐息だけが落ちた。

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