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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

「幸太郎!」
 目の前に立つのは、紛れもなく彼女が二年前別れたきりの長男であった。元々亮平によく似た面差しは益々似通ってきている。濃い眉や意思の強そうな瞳などは生き写しだ。ふいに亮平の面影がちらりと掠め、幸の胸を切ないやりきれなさが襲う。

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